そうだよね、その可能性もあったのに私は悪いほうにしか考えられなかった。慧さんは慧さんなりに私のことを考えて、距離を縮めようとしてくれていたのに。
当時の自分が情けなくて苦笑していると、彼は納得したように言う。
「そうか……だからあの時、一絵の表情が急に暗くなったんだな。俺はてっきりこのネックレスが気に入らなかったんだと思って、内心落ち込んでた」
「あっ、ご、ごめんね! 離婚の文字が頭によぎったのもあの時だったから……」
初めて打ち明けると、彼は〝ガーン!〟という擬音語が見えそうなくらいショックを受けた様子だったので、私は「ごめんなさいごめんなさい」とひたすら謝った。
うなだれた後、顔を上げた彼は決まりが悪そうな笑みを浮かべている。
「今思えば、瀬在を頼らず一絵を誘って一緒に買いに行けばよかったのにな。そんな簡単なことさえできなかった」
「私も、ネガティブ思考すぎたよね」
お互いに反省し、目を合わせてぷっと噴き出した。
不甲斐なかった分、これからはもっと前向きに考えるとしよう。
「たくさん遠回りしちゃったけど、今こうして幸せなんだから、私たちには必要な時間だったんだよ。きっと」
「……そうだな」
当時の自分が情けなくて苦笑していると、彼は納得したように言う。
「そうか……だからあの時、一絵の表情が急に暗くなったんだな。俺はてっきりこのネックレスが気に入らなかったんだと思って、内心落ち込んでた」
「あっ、ご、ごめんね! 離婚の文字が頭によぎったのもあの時だったから……」
初めて打ち明けると、彼は〝ガーン!〟という擬音語が見えそうなくらいショックを受けた様子だったので、私は「ごめんなさいごめんなさい」とひたすら謝った。
うなだれた後、顔を上げた彼は決まりが悪そうな笑みを浮かべている。
「今思えば、瀬在を頼らず一絵を誘って一緒に買いに行けばよかったのにな。そんな簡単なことさえできなかった」
「私も、ネガティブ思考すぎたよね」
お互いに反省し、目を合わせてぷっと噴き出した。
不甲斐なかった分、これからはもっと前向きに考えるとしよう。
「たくさん遠回りしちゃったけど、今こうして幸せなんだから、私たちには必要な時間だったんだよ。きっと」
「……そうだな」



