黒峰くん、独占禁止。

 昨日の、あのごたごただと理解するのにそう時間はかからなかった。

 確かにそうだ、傍から見れば完全にそう思われても仕方ない。

 だから完全に否定する事もできずにいた。

「あのねぇ、調子乗るのもほどほどにしときなよー? じゃなきゃ今度は痛い目見るかもね?」

 キャハハ、と甲高い声を上げ去っていく女子たち。

 言いたい事を言ってすっきりしたのか、ただ飽きただけなのか。

 ……なんて、そう考えられないくらい私の頭はキャパオーバーだった。

 そうだ、私は被害者じゃない。加害者なんだ。

 被害者は黒峰君と嶺緒君。私が、二人を振り回しているんだ。

 私の、せいで。

「……どうしたら、いいの?」

 か細く、情けない声がその場に響く。

 行き場のない疑問と喪失感は、静かに消えてなくなっていく……と思いきや。

「お、とーかちゃんじゃん。」

「っ!?」

「久しぶり、覚えてる?」

 背後からいきなり声をかけられ、あからさまに肩が跳ねる。

 それが面白かったのか相手はクスクス笑いながら、こっちに近付いてきた。