黒峰くん、独占禁止。

 その分のまっすぐな気持ちや、優しい黒峰君の性格に惹かれずにいられなかった。

 比較するのは良くないと分かってはいるけど、どうにもしてしまうのが人間の性で。

 ……黒峰君といるほうが、嶺緒君の何倍も何倍も安心するんだ。

 だから、もし誰かに“初めて”をあげるとなれば……私はきっと、黒峰君にっ…………て。

「やめようこんな妄想!!」

 私いつからこんな……は、破廉恥な女子になったのっ!?

 ドレッサーをひっくり返す勢いで立ち上がり、火照った頬をパチパチ容赦なく叩く。

 今までこんな、ヤバめな事なんて考えた事もなかったのに……私、こんなはしたない女じゃないはずのに!

 こほん、と誰もいないのに咳払いを一つ。

 そうすると少しだけ、ほんの少しだけ落ち着く事ができた。

 なんだか、これ以上起きてたら余計な事を考えてしまいそうだ。

 何かの予感で察した私は、急いで絆創膏を貼り直す事にしたのだった。



 ……つい昨日までは、少し嫌われてしまった学校生活だと思っていた。

 それなのに今日は、少しどころじゃ収まりそうもない学校生活に変わっていた。