黒峰くん、独占禁止。

 吐息がしつこく首筋にかかって、その度に肩が揺れる。

 嶺緒君は真っ暗なのを良い事に、頬や耳たぶ、首元と順番に唇を落としていった。

 こ、こんな、とこでっ……こんなの、誰かに見られでもしたら……。

 頭の片隅でどうにか意識を保つも、正直のところはっきりとした意識はない。

 ふわふわして、キスされる度に媚薬でも入れられてるみたいで……。

 そんなわけないのに、そう感じてしまう。

「や、やめてよ、嶺緒君っ……。」

「やめるわけないでしょ? お仕置きしないと、おーしーおーき。」

「ひゃっ……!」

 するするっと、気が付かない間に胸元のリボンがほどかれる。

 その流れで綺麗に私の第一ボタンを外した嶺緒君は、鎖骨辺りに牙を立てた。

「っ……い、っ……。」

「痛い? でも俺は、この比じゃないくらい傷ついてるよ?」

「……ほんと、にっ、ごめん……。」

「謝ってももう遅いって。」

 さっきからずっと抵抗してるのに、嶺緒君の力には敵いっこない。

 いくら身をよじっても、やめてと静止の声をあげても、嶺緒君は止まってくれない。