黒峰くん、独占禁止。

「昨日、守れなかった……っ。学校にいたのに、気付けなかった……っ。」

 それ、って……。

 昨日の絡まれた件、誰かが見ていたのかな。それで黒峰君の耳に入って……。

 だから彼は、こんなに苦しそうな声を出しているんだ。

 そう思うと、胸がきゅっと締め付けられた。

 私の、せいだ。

「黒峰君、謝んないで。黒峰君が悪いわけじゃないし、私元気だし!」

 どうして君が謝るの。

 君には関係ないのに、どうしてそんなに心配してくれるの。

 この黒峰君の行動が私を想ってしてくれたものだと思うと、やっぱり自分のせいだと思う。

 ……でもその反面、心はぽかぽか温かくなっていた。

 黒峰君が私を心配してくれたのが、どうしようもなく嬉しくて。

 好きでいてくれてるのかな、なんて思ってしまう。

「それでもだっ、春宮が危険な目に遭ったってだけで俺は怖いのに、駆けつけられなかった自分が許せない。」

「だ、だから黒峰君のせいじゃっ……」

「いや、俺のせいだ。もうお前をひと時たりとも離したくない……っ。」

 一度は離れた距離が、再度ゼロになる。