黒峰くん、独占禁止。

「俺は女の子に乱暴な手は取らないから安心してよ。言うでしょ、レディファーストとか。女の子は大事にされるべき存在だよ。」

「だから……だよ。」

「頑固だねぇ。」

 そりゃあ……頑固にもなるよ。

 古夜君には分からないかもしれないけど、私にとって光莉ちゃんは大事な大事な友達なの。

「光莉ちゃんは私の唯一の友達だから、私が守りたいの!」

 たくさんたくさん、守られてきた。

 守られっぱなしは、かっこ悪い。

 光莉ちゃんはほんとは私より怖がりで、かよわくて、守ってあげなきゃいけない子だ。

 それなのに私はいつも、光莉ちゃんに守られている。

 ……そんなの、嫌だから。

「古夜君には分かんないよ……私の気持ちなんて。」

「……いや、分かるよ。俺も小咲ちゃんに助けられたから。」

「え……?」

 さっきよりも、真剣味のある声。

 助けられた、だなんて。

「どういう事?」

「んー、ここじゃなんだしとりあえず移動しよ。あんたも送ってってあげる、俺車通学だから。」

 そのほうがあんたも安心でしょ?と付け加えられた言葉の真理は、よく分からない。