「もし、もし。」

《すぐ来てほしい。》

「いや……それは、困るよ。」

《何でだ。》

 どーしても、こーしても……ないよ。

 私、昨日はっきり伝えたよね?

「私、距離置こうって、言ったよね……?」

 電話相手は、私と同級生の男の子。

 でも彼とは出会って一か月。まだまだ初対面と何ら変わらない、はずだ。

 それなのに彼は、ほんとの初対面の時からグイグイ来るタイプで。

 恋人同士じゃないのにくっついてきたり、こうやってしつこいくらい電話してきたり……って。

 私が言うのもなんだけど、彼は私にすっごく執着してる気がする……。

 それが、良くないと思ったんだ。いろんな理由から。

《でもさ、モーニングコールは春宮のじゃないと困るから。春宮の声聞かないと起きれない。》

「モーニングコールは、自分からしていいものなの……?」

《ふはっ、春宮の目の付け所ほんっとおもしろ。》

 な、何にも面白くないよ……!

「あれだけ電話をかけてきたのって、それだけの為?」

《逆に何があるっていうんだ?》