黒峰くん、独占禁止。

 男子生徒たちはすぐさま顔を青ざめさせると、すたこらさっさというようにどこかへ行ってしまった。

 ……た、助かった。

 まさか言葉だけで助けられるだなんて思ってもいなくて、さっき起きた一部始終にぽかんとしてしまう。

 光莉ちゃんも同様のようで、ぽかんと呆気に取られていた。

「お前らさー、マジ気を付けろよ。この学校にはあんな奴、たくさんいるんだからな。」

 私たちのほうに向き直った彼は、呆れたようにため息を吐きながらそう言ってくる。

 えっ、そうなの……? あんな怖い人たちが、たくさん……?

 一瞬そう思ったけど、黒峰君に喧嘩を売る人もいるくらいだから……と腑に落ちてしまった。なんとなく悔しい。

「あの、ありがとうございます。」

 とりあえずお礼は言わなきゃと、軽く頭を下げてそう伝える。

 その時、光莉ちゃんが私の隣でプルプル震えている事に気が付いた。

 ど、どうしたんだろう……?

 率直に疑問を感じ、声をかけかける。

 けどその前に光莉ちゃんが、はわわっと言うように顔を輝かせていた。