黒峰くん、独占禁止。

 元々喧嘩っ早いのか、喧嘩が好きなのか、ただ単にムカついたからしちゃっただけなのか……私には分からない。

 と、とりあえず倒れてる人たちをどうにかしないと……!

 面倒事に巻き込まれたくはないけど、流石に見過ごすわけにもいかない。

 ……かといって、彼らを一斉に保健室へ連れて行ったら理由を聞かれる事間違いなしだろう。

 となれば、黒峰君のことも言わなければならなくなる。

 そもそもこの人数をすぐに保健室に連れて行けるかと聞かれたら、無理としか言いようがない。

 だったら、どうすれば……。

「なーに考えてんだ春宮。」

「いや……どうしたらこの人たちを保健室に連れて行けるのかなーって思って……」

「んなのほっときゃいいだろ。どーせ勝手に起き上がるし。」

「そっ、それは流石に無責任じゃ……!」

「つーか春宮が気にする事じゃねーし、こいつらしぶといからそろそろ目ぇ覚ますだろ。」

 で、でもそんなの……!

 と、言いかけた瞬間だった。

「はーっ、はー……くぅろぉみぃねぇぇぇっっっ……!!!」