「はぁ~……相変わらず唯都様かっこいいよ~っ!」

「光莉ちゃんほんとに好きだよね、古夜君のこと。」

「だってだって……っ、あんなにかっこよくてパーフェクトな人が存在してたらそう思っちゃうよ!」

「それなら……話しかけに行ったりしないの?」

「それはわたしが尊死しちゃうから無理っっ……!!」

 ある日の5時間目は自習になった為、私は光莉ちゃんと数学のワークをしている最中。

 だけども始まってから15分経った辺りで、光莉ちゃんが窓の外を見ながら目をハートにさせていた。

 そして光莉ちゃんから発せられた、“唯都様”という言葉。

 その唯都様という人は……光莉ちゃんの口ぶりから分かる通り、スーパーイケメンである。

「待って待って……! 嶺緒様と唯都様、一緒に居る~~~っっっ!!!」

「うっそ!? どこどこ!?!?」

「え、ちょいちょいちょい……今唯都様腹チラしたんだけど……っっ!!」

 光莉ちゃんだけでなく、他の女の子も唯都様にはメロメロで。

 噂では、誰ともつるまないものの嶺緒君だけには心を開いている……らしい。