黒峰くん、独占禁止。

 流石にそれには、ちょっと躊躇った。

 ……通話は、どうしよう。

 まだ文字での会話なら、気まずさもないし全然話せる。

 だけども直接話すとなると……上手く話せるか、自信がない。

 こ、ここは断らなきゃ……。

《ごめんね……。電話は流石に……。》

《嫌か?》

《嫌なわけじゃないけどっ……。》

《それなら少しくらいはダメか?》

 うっ……。

 文字なのに、ただの言葉なのに、心臓の辺りが苦しくなる。

 いつもこうだ、黒峰君は。

 優しくて柔らかい言葉で、私をその気にさせようとしてくる。

 言葉の使い方が上手いから、いつも丸め込まれてしまうんだ。

 嶺緒君よりも私の扱い方が……上手。

 少し下からお願いすれば、私が断れないって分かっているから尚更。

《ちょっとだけだよ?》

《ありがとな。》

 ――プルルルッ、プルルルッ

 感謝の気持ちが飛んで来るや否や、着信を知らせる私のスマホ。

 もうかけてきたの……!?と驚きつつも、さっき了承してしまったから一拍遅れて通話ボタンを押した。