黒峰くん、独占禁止。

「ね、ねおくっ……」

「何?」

「く、くすぐったい……っ。」

「……ふーん、それだけかぁ。」

 際どいギリギリのラインまで嶺緒君は惜しみなく触れてきて、その度にビクッと驚いてしまう。

 凄くくすぐったくて、でも触れてくる手は優しくて……頭がパニックになってしまいそうになる。

 ……嶺緒君はどうして、私を助けたままにしてくれているんだろう。

 そう、時々思う。

 嶺緒君の機嫌次第で、私はまた泣き寝入りの日々を送る事になる。

 だけど助けてくれているままにしてるのは……嶺緒君にとって私は、お荷物じゃないのかなって思える。

「……ったく、次からはちゃんと出ようね。心配するから。」

「わ、かった。気を付けるね。」

「ん、そーして。……桃香は俺のもんでしょ。」

「……うん、そうだよ。」

 ドキドキって、心臓がうるさい。

 私はきっと、嶺緒君に恋してるんだ。

 だって、私を助けてくれて優しくしてくれて、心配してくれてるんだもん。

 好きにならないほうが、おかしい。