黒峰くん、独占禁止。

 無理だけど……私も比喩表現なしに、ずっとこうしていたいと内心考えている。

「ほんと好き。」

「うん。」

「今度家来るか?」

「……それは早くない? もうちょっとステップ踏んでからのほうがいいんじゃないかな。」

「じゃあ今日デートしよ。」

「どこ行くの?」

「前行き損ねたガチャ屋。」

「よし行こ。」

 くすっと、どちらからともなく笑う。

 今でも夢みたいだ。ほんとに黒峰君の隣にいれるなんて。

 ううん、隣にいるだけじゃなくて支えたい。黒峰君に迷惑をかけたくない、同じくらいの愛を返したい。

 今まで貰った分も、返していけるようになりたい。

 苦しいくらい抱きしめられながら、まだ涼しい空の下。

 静かに重ねられた唇は、どんな甘味よりも甘く感じた。