黒峰くん、独占禁止。

 即座にインターホンを慣らし、応答されるまで呼吸を整える。

 ……ちょっと焦りすぎた、かな。

 すー、はー……と深呼吸していた時にふと思った。

 流石に慌てすぎたかもしれない、だってまだ10時前だよ?

 内心そう考えていたけど、こういうのは早いほうがいい。あんまり引き延ばせば、もっと酷くなる。

 分かっていたから、そこまで後悔する事でもなかった。

《……はい。》

「ひ、光莉ちゃん? 桃香だよ、ちょっと早めに来ちゃった。」

《今開けるねっ。》

 てへっというように語尾を上げて、へにゃっと口角を緩める。

 すると言葉通り光莉ちゃんはすぐに玄関扉を開けてくれ、私を快く迎え入れてくれた。

「ごめんね、すぐに返事できなくて。」

「ううん、そんなの全然大丈夫だよっ。私のほうこそ、急に連絡しちゃってごめん。」

「謝らないで。わたしも……桃香ちゃんと話さなきゃって思ってたところだったから。」

 いつも通りの会話を交わし、光莉ちゃんのお部屋まで一緒に上がる。

 どうやら両親は会社のほうにいるらしく、今は光莉ちゃん一人の状態らしい。