「そっかぁ……それじゃあ、途中まで一緒に行こ? 私、自販機行きたいんだ!」

 行こ行こ~!と私の腕を引いて、教室を出る光莉ちゃん。

 ちょ、ちょっと待って光莉ちゃん……!

 光莉ちゃんなりの優しさだとは分かってるけど……これじゃあっ。

「うわ、春宮さんじゃん……。光莉ちゃん可哀想だよね、春宮さんと一緒にいるなんて。」

「春宮さんが光莉ちゃんの弱み握ってるんだって。どこまで性格悪いんだろうね、春宮さんって。」

 ――チクッ

「っ……。」

 ほら、やっぱりだ。

 私のせいで、光莉ちゃんまで変な目で見られる事になるこの状態。

 こうなるから、待ってって言おうとしたのに……っ。

「ひかりちゃ……――っ。」

「だいじょーぶだいじょーぶ。もうすぐで裏庭だよ。」

「ま、待って……っ!」

 ダメだ、光莉ちゃんまで巻き込むのは。

 そう思って、急いで人気のないところまで行く。

 そこで光莉ちゃんは手を離してくれて、困ったような笑みを浮かべた。

「もう、桃香ちゃん。まーたわたしの事気にしてるの?」