黒峰くん、独占禁止。

「……怒られる? そんなわけないだろ?」

「うぇ……?」

 ほんとに一瞬、チラッと見ただけの黒峰君は。

 いとも簡単にそう言ってのけ、訳が分からないと言ったように首を傾げていた。

 つられて、私も首を傾げる。

 い、意味が分かんない……!

「だ、だって黒峰君っ、この前真冬さんと……き、キスしてたよね!? それで、復縁するんじゃないの……!?」

「……見てたのか。」

「うん、見ちゃったよ!」

 正直に首を縦に振ると、黒峰君は困ったと言うように頭を抱えてみせる。

 け、けどやっぱりキスはしたって認めるん、だよね……? こう言うって事は……。

 わ、分かってたけどちょっとだけ傷つく……うぅっ。

 それでも、怒られるわけがないってどういう事?

 何もかもが理解できていない私に、黒峰君の参ったような声が聞こえる。

「春宮が真冬から何を言われたのかは正直分からないが……確かに俺は、中学時代真冬と付き合っていた。」

 ――チクッ

 うん、やっぱり嘘なんかじゃなかった。