黒峰くん、独占禁止。

 落ち着いて、焦らないで。

 そう自分に言い聞かせ、震える唇を噛み締めて男の人に尋ねた。

 せっかくラッピングして貰ったのを、汚さないように両手で抱える。

 それと同時に男の人がひょいっと、いとも簡単に私を持ち上げた。まるで俵を持つように。

「ちょ……っ、あのっ、何を……っ!」

「おい、暴れんなってお前っ! 落ちるぞ!」

「別に落ちてもいいです!!」

 ラッピングが汚れないように受け身取りますので!

 そこまでは流石に言わなかったけど、落ちる事は厭わない。

 むしろ知らない男の人に、知らない場所に連れていかれるほうが怖い。

 これでもかと暴れて、早く落としてもらおうと反抗する。

 ……だけども、ガタイが良すぎてびくともしない。

「お前大人しくしろっ! お前はあいつを呼び出す為の餌にしか過ぎねーんだからよ!」

「……あいつって?」

「あぁ!? 黒峰だよ分かってるだろ!?」

 な、なるほど……?

 予想だけど、この人は多分……黒峰君に喧嘩か何かで負けた人で、黒峰君に復讐する為に私を探してどこかに連れて行こうとしているわけ、だろうか。