黒峰くん、独占禁止。

「契約?」

「うん。だって、そうしなきゃ私っ……嶺緒君に、甘えちゃいそうでっ――」

「もう切ってるよ、契約は。」

 ……え。

「…………へ?」

 間抜けで素っ頓狂な言葉が、無意識に洩れ出る。

 そ、それって……。

「い、いつの、まに……?」

「んー? ももちゃんが高校生になった時、かな~?」

「ど、どうしてっ……?」

「だってももちゃんのご両親から言われたんだよ。もう十分だし、俺の家にいくらか返す分のお金もちゃーんと貰ってるし。契約はとっくのとうに切ってるんだよ?」

「う、嘘っ……。」

 そんな話、全然聞いてないんだけど……!

 私てっきり、この先もずーっと契約に縛られるとばっかり思ってて……それなのに、契約を切ってるって……。

「何で教えてくれなかったのっ!?」

「えー、言っちゃったらももちゃん俺から離れていくでしょ~? 俺はももちゃんに離れてほしくなかったから、今日まで黙ってたの。それくらいももちゃんが好きって事だね。」

「い、意地悪……!」

「こうでもしなきゃももちゃんは黒峰のとこに行っちゃうでしょ?」