黒峰くん、独占禁止。

 けど、そんな時に助けてくれたのが嶺緒君だった。

 心身ともに完全に憔悴しきっていた私に、手を差し伸べてくれたのが嶺緒君だった。

「テキトーに散歩してたら、わんわん泣いてる女の子いてあの時はびっくりしたんだよ? 別にスルーしても良かったんだけど、あまりにも可哀想だったから声かけただけだったのが馴れ初めだね。」

「その節は大変申し訳ございませんでした……。」

「ほんとにね。あれだけ泣いてたら嫌でも目に付いちゃうよ。」

 小学5年生の冬。その日は鬱陶しいくらいの雪が降っていた。

 普段なら喜べる雪も、その日ばかりは喜べなくて。

 でもこの辛さを覆ってくれるのならいいのかなって、思っていたところだった。

『何してんの、こんなとこで。そんなさむそーな服で、よくいれるね?』

『……誰?』

『別に誰でも。ていうか、泣きすぎでしょ。目、めっちゃ腫れてる。かわいそー。』

 いきなり嶺緒君が話しかけてきたのが、きっかけだった。

 同い年の男の子だったからそこまで警戒はしなかったけど、家の事情で泣いていたなんて言えるわけない。