黒峰くん、独占禁止。

 その気持ちが伝わったのかはよく分からないけど、嶺緒君は困ったように微笑んだ。

「でも、いいよ。教えてあげる。どうせ何言ったって、ももちゃんの意思は変わんないだろうし。」

「ほ、ほんと……?」

「この期に及んで嘘吐くと思う?」

 自嘲気味に目を細めた嶺緒君を、疑ってるわけじゃない。

 ただただ、信じられなかっただけなんだ。

 今までの嶺緒君とは全然違う、優しすぎる嶺緒君。

 そんな嶺緒君は諦めたように影を落とすと、御伽噺を聞かせるような声色で言葉を紡ぎだした。

「ももちゃんのお家、前は借金まみれだったよね。返済が追い付かないのに、次から次へと借金が来て。」

「……うん。お父さんの友達が、連帯保証人をお父さんにしてたからね……。」

 私が嶺緒君に拾われる事の発端になったのは、お父さんの悪いお友達の借金からだった。

 何人もの悪いお友達と関わってしまっていたお父さんには、多額の到底返せなさそうな借金ばかりが降り積もっていた。

 そのせいでお父さんは体調を崩してしまい、私たちも精神的に泣きそうだった。