黒峰くん、独占禁止。

「あっ、いやっ……別に、何も~……」

「ほんとに?」

「う、うんっ……。ほんとほんと……。」

 ねっ?と笑って、とにかく誤魔化しに全振りする。

 いや、本当に何もやましい事してないし……知られて大変な事もないから、大丈夫なはず。

 ただメグさんと古夜君と話してただけだし、嶺緒君の意思に背くような事はしていない。

 その時するっと、私のポケットからあの紙切れを取り出してみせた嶺緒君は。

「……何? これ。」

「か、紙です……。」

「そーじゃないでしょ。何で唯都の連絡先なんか、貰ってんの。」

 そ、それもダメなの……?

 照明が弱い部屋の中で、窓の外の月光が煌めいて見える。

 嶺緒君の鎖骨辺りに月光が当たり、やけに色っぽいと感じてしまった。

「ち、違うのっ! 古夜君は、私と仲良くしてくれようとしてて……だからっ、……――っ、んんっ!!」

「許可なく他の男の名前、口にすんな。」

「ねお、くん……っ。ま、って……!」

「もう十分待った。これ以上は待てねーよ、桃香。」