黒峰くん、独占禁止。

 一旦自分の部屋に戻ろうと、ほこほこしている体を冷まさないように早足で脱衣所から出たら。

 多分待ち構えていたんだろうメイド長のメグさんに呼び止められ、まだ乾かしきれていない髪が揺れた。

 メグさんは家事全般ができる優秀な人で、かつては塾講師もしていたらしく、すっごく頼れる人。

 私が嶺緒君に拾われた当初はここに住まわせてもらっていたから、メグさんとは仲良くさせてもらっている。

 メグさんも、私と二人っきりの時は友達のように接してくれるし……尊敬に値する人だ。

「それでも……嶺緒様は、束縛が強いお方だから……桃香ちゃんが何か、嫌な事を強制されてしまってるんじゃないかと心配で……。ごめんね、私には何もできないのに。」

「ううん、メグさん謝らないで。メグさんが悪いわけじゃないし、これは私の問題だよ? 心配かけちゃったのは申し訳ないけど……。」

 最近はずっとメグさんと連絡取れていなかったし、音沙汰がなければそりゃあ心配させてしまう。

 母性本能が強いメグさんは私の第2の母親のようだから、罪悪感で胸がいっぱいになった。