黒峰くん、独占禁止。

 向こう側にいるであろう古夜君に「分かった。」と適当な返事をし、嶺緒君は私を立たせてくれた。

 服装も直してくれて、また手を繋がれる。

 ……どれだけ繋いでいたんだろう。そんなに私が逃げると思ってるのかな。

 ここは嶺緒君のお家だ。逃げも隠れもできやしない。

 それなのにここまで縛ってくるという事は……相当私を信用してくれてないらしい。

 そう考えるとちょっとだけ虚しい気持ちになった。

 嶺緒君でさえも、信用してくれてないんだなぁ……って。

 一度だけ振り払ってみようと、繋がれた手を左右に振ってみる。

 けれどそれを許さないよう、がっちりと手を握られてしまって断念した。



「……桃香様――」

「メグさん、ここには嶺緒君はいないから……敬語とか、敬称とか、いいよ?」

「それでは失礼して……桃香ちゃん。」

「どうしたの?」

「……嶺緒様に、酷い事等はされてない?」

「大丈夫だよ、メグさん。されてないし、嶺緒君は優しいよ。」

 美味しい夕食をとり、お風呂にゆっくり入ってきた後。