黒峰くん、独占禁止。

 っ、くす、ぐった……い。

 ギリギリを攻めてくる嶺緒君の行動に、生理的な涙が抑えられない。

 私を妖艶に見下ろしている嶺緒君は、どうやら歯止めが利かなくなったらしい。

「まっ……うぅっ、やっ……!」

「……ごめんねももちゃん、ちょっとだけね。」

 カーディガンを呆気なく脱がされ、お腹辺りにぞわぞわとした感覚が走る。

 一緒に胸元のボタンを二つ外すと、嶺緒君はそこにキスを順々に落としていった。

 ちゅ、ちゅ……と、色っぽいリップ音が部屋に木霊する。

 とめどないそれに私は抵抗する事もままならず、ぎゅっと瞼を閉じる他なかった。

 恥ずかしさと嫌悪感が混じって、簡単に形容できない複雑な気持ちに襲われる。

 このまま、されちゃうの……っ?

 そんな危機感を持った時だった、部屋の扉がノックされたのは。

「お食事の準備ができましたよ。広間にいらっしゃってください。」

 外側から古夜君の棒読み言葉が聞こえ、やっと嶺緒君の動きが止まった。

 流石に時と場合を弁えてくれてる……良かった、と思わずほっとしてしまった。