黒峰くん、独占禁止。

 部屋は変わらず綺麗で、私の好きな雰囲気に整えられている。

 その部屋の隅に荷物を置くと、いきなり嶺緒君がギューッと勢いよく抱きついてきた。

 おかげで体制を崩してしまい、近くのソファに倒れ込む。

 嶺緒君が頭を守ってくれたおかげで痛くはなかったけど、突然の事はびっくりする。

「ね、嶺緒君……どうしたの、急に……。」

「いや~? ももちゃんが可愛いから、ついね。」

「……ほんとは?」

「……。どこで唯都と知り合った?」

 嶺緒君の手元がせわしなく動いている時は、何かを問い質したい時。

 建前を見抜かなければ、きっと何か大事な事をはぐらかされる。

 何度もそんな嶺緒君の手に引っかかっていたから、落ち着いて真理を尋ねた。

 そうするとやはり建前だったのか、きょとんとした表情の後に意味深に笑った。

「ももちゃん鋭くなってきたね~、やっぱ俺がちゃーんと教育してるおかげ?」

「……そうかも、しれないね。」

「あはっ、ももちゃんも結構言うようになったね?」

 そう、なのかな……。