黒峰くん、独占禁止。

「へいへい。とーかちゃん用の部屋はもう準備してあるし、ここでいちゃつくなっつーの。」

 やれやれとため息を吐きたそうな古夜君は、尚も苦い顔をしている。

 その言葉を聞いた嶺緒君はうっすら微笑むと、私を腕をルンルンで引いた。

「ももちゃん、とりあえず部屋行こっかっ。」

「あ、え、えっと……」

 ほとんど消え失せそうな声で、「うん。」と返事をする。

 直後古夜君の傍を通ると、私はぼそりと低い声を耳にした。

「あと唯都さ、今はお仕事中なんだから……敬語忘れんなよ。」

「……かしこまりました。」

 私に言われたわけではないのに、体の芯から真っ青になる感じがする。

 私がこうなのだから、古夜君は相当怯えてしまっているんじゃ……。

 そう、ほんの一瞬だけ思ってしまったけど古夜君は私よりも強い。

 ちらっと表情を盗み見ると、いつもの涼しい表情の古夜君と目が合った。



 案内された客室……ううん、私専用の部屋に足を踏み入れる。

 最後に来たのは、確か中2だったっけ……? いろんな事が気になりすぎて、あんまり覚えてないや。