黒峰くん、独占禁止。

「それじゃ、早速行こっかっ。」

「わ、分かった。」

 にぱっと笑った嶺緒君の動きに合わせて、控えめなネックレスが揺れる。

 そう思った瞬間にぎゅっと手を繋がれ、びっくりして引っ込めようとしてしまった。

 ……阻止されたけど。

「俺と手、繋ぐの嫌?」

「そんなわけ……」

「じゃあいいよね?」

 語尾を強く言い、有無を言わさず目的地へと歩き出す嶺緒君。

 その背中は自信と見えない圧で覆われていて、強引に手を離せなかった。



 あ、相変わらず大きいお家だ……あはは。

 目的地、つまり嶺緒君のお家に着いて早々苦笑いが零れる。

 綺麗に塗装されている壁や屋根は汚れ一つなく、どこかの国のお城だと言われても全然違和感ない。

 久しぶりに見たからか驚きが蘇ってきて、目を見開いたまま突っ立っていてしまった。

 しかも、ここに使用人さんたちと嶺緒君だけで住んでいるというからまた驚きだ。

「もしもーし、俺だよ。開けて。」

 遥かに大きい門扉の隣のインターフォンみたいなものに、嶺緒君はわくわくした様子で呼びかける。