黒峰くん、独占禁止。

 光莉ちゃんや黒峰君、真冬さんとも距離を取っている状態で。

 古夜君の連絡先をそもそも知らない私は、頼れる人が嶺緒君しかいないと気付かされた。

 そして今日は……嶺緒君に泊まりに来てと言われた日。

 嶺緒君のお家に泊まるのは中1以来で、緊張が半端なかった。

 夕方くらいにマンションを出て、少し歩いて待ち合わせ場所に向かう。

 その道中やたらとスマホを気にしてしまい、一瞬足がもつれそうだった。

 ……黒峰君から連絡来たらどうしよう、って。

 そんな事あるわけないのに、心のどこかで願ってしまう。

 もちろん連絡は来る事もなく、それ以前に何の通知も来なかった。

「あっ、ももちゃん……!」

「ごめんね、待たせちゃった……かな。」

「そんな待ってないから大丈夫だよーっ! プライベートももちゃんやっぱ可愛い~。」

「あ、ありがとう……。」

 おめかししてきたつもりは全くないけど、褒められて嫌な気はしない。

 私も久しぶりに完全オフの状態で嶺緒君に会ったから、嶺緒君の私服姿が新鮮だった。