黒峰くん、独占禁止。

 するとそれが気に障ったのか、嶺緒君が私の上に覆い被さってきたのだ。

 突然の事に驚いて、声にならないような声が洩れた。

「ね、ももちゃん。」

「……な、何?」

「抱きたい。」

「…………はいっ!?」

 だ、だだだ、抱きたい……とは……。

「ぎゅ、ぎゅーなら……いくらでも、どうぞ?」

「あれ、伝わんなかった? そっちじゃないよ、意味。」

 ふっと、浅い吐息が頬にかかる。

 薄目で嶺緒君を見ると、私を乱雑に扱うような意地悪な表情はしていなくて、妙に艶っぽい笑みでいた。

 そんな彼に、どう答えていいのか困惑してしまう。

 うん。私だって、一応高校生。嶺緒君の言ってる意味が分からない、とかじゃない。

 でも、もしかしたら違うかもって希望もあった。

 いくら私のことを好いていてくれるからって、そーゆー、お、オトナな事はしないよね……って勝手に思っていた。

 けど今の嶺緒君は、本気で言ってる。いいよって許可を出したら、本当にやられてしまいそうだ。

 ……こーゆーのは、喜ぶべきだ。