黒峰くん、独占禁止。

 すーっと背中をなぞられ、反射的に指先がびくっとする。

 もう一方の腕も顔の傍に回されていて、とめどなく頬を触ってきていた。

 ただ撫でられるだけなら良かったけど、次第に体が密着していくように誘導される。

 その度に嶺緒君の大きな手が当たって、縮こまらずにはいられなかった。

「ね、嶺緒君っ……。い、一旦離れよ……?」

「離れてほしいの?」

「う、うんっ……!」

 ぶんぶんと首を縦に振り、そーっと胸板を押す。

 嶺緒君の言い方的に、とりあえずは離れてくれそうだ……と思った直後。

「っ、ひやぁっ……!?」

「めーっちゃ可愛い声出してくれるじゃん。これだからももちゃんは、困っちゃうなぁ。」

「ちょ、ね、ねお、くんっ……!」

「そんな声で止めようとしたって無理だよ? そそるだけだし。」

 ぐいっと強い力で抱き寄せられ、いとも簡単に制服の下に嶺緒君の冷たい手が触れる。

 その手は背中だから余計に変に感じてしまい、声を出さずにはいられなかった。

 慌てて自分の口元に手を当て、なんとか声を抑える。