黒峰くん、独占禁止。

 珍しい気がする、嶺緒君からメッセージが来るなんて。

 いつもは電話か直接やり取りするかだったし、わざわざ送ってくるなんて思ってなかった。

 どうやら私が早退した事を聞きつけたらしく、安否の確認の為だそう。

《ももちゃん大丈夫!? 心配だからももちゃんのお家行っていい!?》

 ……今から、なのかな。

 ちょっぴり疑問に思い、返信を打つ手が止まる。

 黒峰君もさっき、こうして心配してくれた。

 同じような行動を取ってくれた嶺緒君に、クスリと笑みが零れる。

 正直のところ、誰にも会いたくないのが本音。

 けど……嶺緒君を、ちゃんと好きにならなきゃ。

 嶺緒君に同じ“好き”を返せるように、頑張らなきゃいけない。

 真冬さんの厳しい言葉で目が覚めた。私が好きになるのは黒峰君じゃない、嶺緒君だと。

 もうどっちつかずな態度は、やめなくちゃ。

《うん、来てほしい。心配してくれてありがとう。》

 少し悩んだ割には短くなった文章を送り、ブレザーを脱ぎ捨ててベッドに寝転ぶ。

 そうすると何にもない灰色の天井が見えて、このマンションに越してきた時の事を思い出した。