黒峰くん、独占禁止。

 いつもならそれが微笑ましいと思えるのに、今日は……ううん、もう真冬さんとの関係を知ってしまったから。

 ただただ痛くなるばかりで、気を抜けば泣きそうだった。

「体調は、大丈夫だよ。」

《そうか、なら良かった。だが、心配だから今から保健室に行くぞ。》

「……いいよ、来なくて。」

 醜い感情の中からやっとの思いで紡がれた言葉は、棘がある。

 そんな言い方しなくても良いのに、これまでの事を考えてしまうと……こんな冷たい言い方になってしまう。

 けどこれが、ちょうどいいのかもしれない。

 そう割り切れば、口からは思ってもない事がスラスラと流れ出した。

「私、もう黒峰君に甘えるのはやめるね。今までありがとう、黒峰君。」

「おい、どういう意味だそれ。」

「そのままだよ。……こんな私を、好きになってくれてありがとう。」

「待ってくれ、何を言っているかさっぱり分からない。」

「分からなくていいよ……分かってもらいたくて言ってるわけじゃないから。」

 焦ったような声で何度も訴えてくる黒峰君には、凄く凄く申し訳ない。