黒峰くん、独占禁止。

 それ故に“独占禁止”と言ってしまった事を、今になって後悔している。

 私は一体、何だったんだろう。

 結局恋しても無駄だった。黒峰君を想うのに、心は真っ黒。

 想う事さえも、正直辛い。

 なのに、失恋してるはずなのにどうして考えちゃうんだろう。

 また、ぎゅってしてほしい……って。

「春宮さん。」

「っ……!?」

 はぁ、はぁ……と息を切らす声が、背後から近付いてくる。

 驚きと警戒で振り返ると、視界には追いかけてきたらしい真冬さんがいた。

 ……どういう事、なんだろう。

 わざわざ、何でここに来たんだろう。

 真冬さんとは、申し訳ないけどあまり関わりたくない。

 そう思うのに真冬さんは私の心情を読み取ってくれないらしく、隣にゆっくり腰を降ろした。

「……あの、小町さん――」

「真冬でいいよ? みんなにもそう言ってるし、苗字呼びは距離感じちゃうな。」

 あどけなくはにかんだ真冬さんは、モデルだけあって可愛らしい。

 白い肌に長い睫毛、うっすら桃色に染まっている頬。その他にも全てが綺麗に整っていて、まるで白雪姫みたいだ。