黒峰くん、独占禁止。

 後ろめたさとか、色々暗い気持ちが重なる。

「……誰に、渡したいの?」

「だから、無理なの。私じゃ、渡せないの。」

「無理かどうか聞いてるんじゃないよ。……誰に渡したいのか、聞いてるだけ。」

「っ……でも、私じゃ無理なの!」

 どう頑張ったって、どう踏んだって、私じゃモデルの真冬さんには敵わない。

 黒峰君にプレゼントを渡したって、きっとすぐに捨てられる。

 そんな惨めな気持ちを経験するなら、何にもしないほうがいい。

 ……光莉ちゃんが、羨ましいな。

 両想いってなんて素敵なんだろう。私と黒峰君も、両想いだったら良かったのに。

 妬み嫉みが渦巻いて、ついこんな言葉を零してしまう。

「光莉ちゃんにはどうせ、私の気持ちなんて分からないよ。」

「……、そっか。」

 ごめんね。

 そう言った光莉ちゃんの声は今にも泣きそうで、その声で自分がした事の重大さに気付いた。

 ……私、何して。

 私は、光莉ちゃんに何で八つ当たりしちゃってるの……?

「あっ、もう予鈴鳴るね。そろそろ自分の席に戻るよ。」