黒峰くん、独占禁止。

「……桃香ちゃん、何にも雑貨買わなかったの……どうして?」

「どうしてもこうしても……何も欲しいものがなかったから、いいやって思っちゃったんだって。」

「嘘だぁ!」

「嘘じゃないよー……?」

「いやっ、嘘だよっ! 桃香ちゃん目がすっごく泳いでるもん!」

 ――ギクッ

 漫画さながらの、何ともまぁテンプレートのような音が響いた気がした。

 や、やっぱり光莉ちゃん鋭い……。

 古夜君の恋情には気付かないのに、何故私の動揺には気付くのか。

 はっきり嘘だと否定されて、その通り過ぎて言葉を失う。

 それで確信を得た光莉ちゃんは私と目線を合わせると、困ったような笑顔を向けてきた。

「ほんとは何か、買いたかったんじゃないの? だって言ってたよね、男の子に誕生日プレゼント渡したいって。」

「あ、あれは……」

 そうだよ。渡したいよ。渡せれるものなら、渡したいよ。

 けど……無理になっちゃったんだよ。

 途中で言い淀み、自分の情けなさを痛感しながら光莉ちゃんから視線を外す。