黒峰くん、独占禁止。

 光莉ちゃんを送る事をあっさり了承するのは、好きだから。

 せっかく二人になれるのに私に声をかけてきたのは、知っていたからかもしれない。

 私が黒峰君のことを意識している事も、黒峰君には真冬さんがいる事も。

 私が悲しめば、光莉ちゃんも一緒に悲しむ。

 きっとその理由で私が悲しまないよう、気遣ってくれたんだろう。

 なら、教えてくれても良かったのに。

 拾われ子のよしみで、教えてくれれば良かったのに。

 今更そう思ってもダメな事は理解しているのに、どうしても考えてしまう。



 一昨日が土曜日で本当に良かった。

 月曜日、小さな鏡の前で自分の顔を見て、心の底からそう思った。

 一昨日は随分泣いてしまった。自分でも抑えられないくらい、子供みたいに泣きじゃくった。

 だから日曜日は目がすっごく腫れていたから、腫れが引いている事に安堵する。

 私が泣いたなんて知られたら、光莉ちゃんにまた迷惑かけちゃうもんね。

 そうすれば古夜君の気遣いも無駄にしてしまうような気がして、それでいて申し訳なかった。