黒峰くん、独占禁止。

「度胸あるねぇ。」

「そうじゃなきゃ世の中やってられないからね。」

 今度こそ、光莉ちゃんと古夜君と別れる。

 もう夕方か……と思うほど空は暗くなっていき、遠くから烏の声が聞こえてくる。

 一人ぼっちの岐路に着くと、さっきまでは考えないようにしていた疑問が頭を渦巻いた。

 ……薄々分かってはいたけど、いざ目の当たりにするとこんなに辛いなんて。

 黒峰君はモテる。そりゃあモテる。モテないはずがない。

 私ごときが黒峰君の隣にいられたのは、単なる遊びだからだ。

 仮にあのモデルさんが彼女さんじゃないとしても、黒峰君に遊ばれてるんだって思う。

 暇つぶしか、それ以外の理由か。

 私は黒峰君じゃないから分かるはずもないけど、知りたい。

 知るのはもちろん怖いけど、それでも黒峰君の考えてる事を理解したい。

 そう、表面上は言えるけど。

 ……その時になったらどうせ、言えなくて逃げるんだろうな。

「夜風、お願い。」

「……しつこい。」

「ねーぇ、本当に一回だけで良いから。」