黒峰くん、独占禁止。

 久しぶりにこんなに歩いたから疲れたのかな、なんて思ったけど。

 そんな言い訳は通りそうもないほど、私の心は複雑だった。

 もしかしたらあのモデルさん、黒峰君の彼女さんなんじゃないか……って。

「桃香ちゃん?」

「ご、ごめんっ。ちょっとぼーっとしちゃってた!」

「そう? しんどかったら休んでても良いよ?」

「ううん、大丈夫っ!」

 あの場に戻ったら、視界に入ってしまうだろう。

 それが嫌で、必死になって今度こそ光莉ちゃんにバレないように取り繕う。

 けどやっぱり、黒峰君に思うところはある。

 ……私って、遊びだったのかな?