黒峰くん、独占禁止。

 杏珠には、もうたくさん背負わせてしまっている。

 その上私のことにまで時間を使わせてしまったら、今度は杏珠が壊れてしまうかもしれない。

 そうなる事が怖くて、無理に口角を上げた。

「心配しなくっても大丈夫だよ? 嶺緒君優しいし、全然平気!」

《それでも……っ! 圓光寺さんの良い噂は、あたし聞いた事ないよ……? もしあたしたちのせいで、お姉ちゃんが酷い事されちゃうって思ったらっ……あたし、立ち直れないよ……。》

「杏珠……。」

《ねぇ、ほんとは? ほんとに圓光寺さんは、お姉ちゃんに優しくしてくれる? 上辺だけじゃない?》

 教えてほしいという気持ちがはっきり見えて、一旦口を閉ざす。

 何も言わなかったら杏珠に怪しまれるだけ。けど、私の思ってしまっている事を伝えたら……。

『桃香が生きられてるのは俺のおかげだって、ちゃんと分かってる? 桃香が俺の機嫌損ねれば、すぐにでも契約解除できるんだよ?』

 今度こそ、生きられなくなってしまう。

 私の言動一つで、杏珠や両親に危害が及ぶ。