黒峰くん、独占禁止。

 実際どっちなのかは分からないとしても、さっきの人懐っこそうな笑顔で光莉ちゃんは完全にノックアウト状態。

 イケメンさんだから仕方ない事なんだろうけども……無自覚ではない事を願うばかりだ。

 これで本当に無自覚とかだったら、知らない内にいろんな女の子落としてそうだし。

「とーかちゃんも、いい?」

「うん、私も大丈夫だよ。……けど、あんまり光莉ちゃんを困らせないでね。」

「まー善処するわ。」

 ほんとに気を付けてくれるのかな……心配だ。

 光莉ちゃんには何の心配も迷惑もかけず、今日を楽しんでもらいたい。

 無事その気持ちだけは伝わったのか、古夜君が静かに唇の端を上げた。

 そして同じタイミングに、愛おし気に目を細めるのを私は見逃さなかった。



「うぅっ、わたし全然落ち着けれない……! どうしよう桃香ちゃん……っ。」

「大丈夫、大丈夫だから。一回深呼吸する?」

「……それでも、ドキドキ収まんないよぉ。」

「うん、そりゃそうだよね。」

 雑貨屋さんに入る前に、光莉ちゃんに服の袖を控えめに引っ張られる。