黒峰くん、独占禁止。

 申し訳なく感じて、手元に視線を落とす。

 ずっと拳を作っていたせいか少しだけ指が痛くなっていて、ぐーっと伸ばしてみる。

「なるほど、そういう事かぁ。」

 うーんと思案するように口元に手を添えた光莉ちゃん。

 うぅっ、また迷惑をかけてしまった……。

 こっちから相談したのに、またそんな事を考えてしまう。

「実は今日、桃香ちゃんを誘ったのには別の理由があるんだ。」

「別の?」

「そう。もちろん、桃香ちゃんに相談乗ってもらいたいって言うのは嘘じゃないけどね?」

 にこっと微笑み首を傾げ、何かを考えるように光莉ちゃんは目を細める。

 でもその意図を私は理解できそうもなくて、ただ瞬きを繰り返していた。

 じゃあ今日誘ってくれたのって、もう一つ理由があっての事……?

 いくら考えてみても、可能性を浮かべてみても、なんだか分かりそうもない。

 その様子に気付いた光莉ちゃんは、自身の両手を優しく合わせた。

「今日、桃香ちゃんを誘ったのはね……最近、桃香ちゃんが何か思い詰めてそうだったから、なんだ。」