黒峰くん、独占禁止。

 ぺちぺちとパックの外側から顔を叩き、なんとなく息を吐いた。

 うーん、何だろう……。

 “転校生が来る”と聞いた時から、実は私の心は晴れやかじゃなかった。

 別に何が気になる、というわけでもないんだけど……なんだか、胸がざわざわしている。

 虫の知らせってこういう事を言うのかな、なんて思う。

 だけどきっと、気にするだけ損だ。

 単なる気のせいだろうし、胸騒ぎは明日光莉ちゃんと久しぶりに遊べるというわくわくからかもしれない。

 うん、絶対そう。逆に何が考えられるんだろう。

 強引だと薄々分かってはいながらも、自身をとりあえず納得させる。

 虫の知らせだなんて、考えちゃいけないよね……。




「え……今、何て?」

《だーかーらー、来週は暇だからうちに遊びに来てって言ったのー。》

「きゅ、急だね……。でも、ちょっと予定があったかもしれないなぁ……あはは。」

《あれ? そうなの?》

 光莉ちゃんとの待ち合わせ時間は午前10時。そろそろ出なきゃいけないという時間に、まさかの電話がかかってきた。