黒峰くん、独占禁止。

 今は夏目前。まだまだ夏休みまでは遠いけど、もう夏と言っても差し支えない時期だ。

 変な時期の転校だと感じてしまうけど、人それぞれ事情はあるだろうし。

 それに、人が増えるのは全然構わないから私には関係ない。

 きっと関わる事もないだろうし、どうせ私の根も葉もない噂を鵜吞みにされてしまう。

 なら最初から、全く気にしないほうがいい。

 この時はそう割り切れた。



「転校生ってどんな子なんだろうね。」

「うーん、それを私に聞かれても困るんだけど……。」

 休憩時間、確実に私に聞くべきじゃない質問を投げてきた光莉ちゃん。

 紙パックのイチゴオレを飲んでいた私は、ストローを噛んでそう答える。

 それに、どんな子だっていうのは私だって聞きたいし知りたい。

 でも来週になれば会うんだから、楽しみにでもとっとけばいいんじゃないかな……と感じてしまった。

 そんな事はわざわざ言わず、もう一度イチゴオレを飲む。

 その瞬間、驚くべき発言を聞く事になった。

「桃香ちゃん、わたしね……」