黒峰くん、独占禁止。

「……くろみね、くん?」

「あー……このアングルヤバいな。」

「ふへっ?」

 な、何がヤバいの……?

 ぽわんと頭の中にはてなが浮かび、ちょっとだけ首を傾げる。

 すると黒峰君、何を思ったのか私の上に覆い被さってきて。

「っ……ひぁ。」

 ちゅ、っと甘いリップ音を私の頬に響かせた。

 耳元で直に聞こえたその妖艶な音に、びくっと手が動いた。

 仕返し……って、これ?

 なんて呆気に取られている間にも、黒峰君は何度も優しいキスをしてきた。

 嶺緒君とは違う、甘くてそれだけでくらくらしそうなキス。

 壊れ物を扱うように丁寧に、愛おしそうに私に触れてくる。

 くすぐったくて、恥ずかしくて、目を合わせられないけど。

「……春宮って、何でこんな敏感なの?」

「そ、そんなわけっ……違うの、敏感、じゃない……っ。」

「じゃあ何だって言うんだよ。」

 笑い声交じりに黒峰君にそう返され、耳たぶを甘噛みされる。

 その瞬間にびびっと電流が流れるような感覚になって、反射的に黒峰君の胸板を押していた。