黒峰くん、独占禁止。

 黒峰君の肌はきめ細かく、すべすべもちもちしている。

 だけどそんな事は考えず、ただひたすらむにむにしていた。

 ……これでも起きないなんて。

 しばらくむにむにした後、疲れてきたから手を降ろした私。

 結局黒峰君は一回も、一瞬も起きず未だに眠っていた。

 まぁ、仕方ない。これ以上ここにいてもどうにもならないし、帰ろう。

 ……暗くならない内に。

 黒峰君に背を向け、なんだか切ない気持ちと黒い感情を残しつつ、扉に手をかける。

 けれど、私の手に重なったのは扉の取っ手ではなく。

「なぁ、さっきはさんざん遊んでくれたな?」

 クスッと、笑いが混じった低い声。

 見なくても分かる、絶対ニヤリって悪い顔してる。

 ここで無視しても、全然良かった。

 だけども……さっきのマフユさん?の事もあったし、何より黒峰君の顔が見たい。

「……あ、あはは……悪気はなかったんだよ、黒峰君……。」

 引きつったような笑顔で、恐る恐る振り返る。

 そのタイミングで、トン……と優しく私の耳の傍に黒峰君の手が着いた。