黒峰くん、独占禁止。

 何があったのかは全然分からないけど、尋ねるのは良くない。

 ……気になりはするけど、きっと聞かれたくない事だろうから。私だってそうだし。

 ぼんやりとそう考え、更に体を縮こまらせる。

 その時古夜君が、聞いてもいないのに自分のことを語りだした。

「俺な、孤児だったんだよ。」

「……無理に離さなくてもいいよ。」

「別に無理してねーよ。同じ境遇のお前に、話聞いてほしくなっただけ。」

「……そっか。」

 まぁ、本人がいいって言うならいいか。

 どうせ止めたって話しそうだし、気になりはするから黙って聞いておこう。

「嶺緒に拾われる前は、俺は死のうかなって考えてた。」

 そんな物騒な出だしから入った話の内容は、私が思っているよりもはるかに重たかった。

 絶句するほどの、できれば聞きたくなかったような話。

 聞いてしまったからには仕方ないけど、言いようのない嫌悪感を感じずにはいられなかった。

 ……古夜君の両親は、どちらも犯罪に手を染めて捕まったらしい。

 当時まだ幼かった古夜君はその事自体を理解するのに苦しんで、理解した時には孤児院に引き取られていた……と。