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 今日はどこに行こう。なにして遊ぼう。
 涼子たちが遊びに付き合えなくても、お金を払ってあげると言えばそのへんにいる同年代の子たちは簡単についてきてくれた。

おかげで私は暇になることがない。
 一度家に帰っても父親の姿はなかった。
 最初は家にもまともに帰る時間がないくらいに忙しいんだと思っていたけれど、どうも違うようだ。

 時折戻ってくる父親からは毎回違う香水の匂いがする。外でいろいろな女性と遊んでいることが子供の私でもわかった。
 それなのに、お母さんはなにも言わない。今日もリビングのソファで横になって、大きく太ってしまった体を怠慢に動かしている。

 お父さんがお手伝いさんを雇ってくれたおかげで家の中は多少綺麗になっていたけれど、お手伝いさんが数日休むとあっという間にゴミ屋敷状態になってしまう。部屋の換気も滅多にされていないのか、今日もムッとする生ゴミの匂いが鼻を刺激した。

 私はテーブルに置かれているお金を握りしめると、すぐに外へ出た。