「――やっと見つけた」 「……!?」 「ずっとキミを探していたんだ」 このときは知る術もなかった。 彼が、あの『鳳間 瑛人』だということを。 冷徹で、不愛想で、鉄壁のガードで心を許さないと有名な彼が、これほどまでに執着する人だということに。 「逃がさないよ、加奈」 「こ、ここまでなさる理由が分かりません!」 「単純なことだ。俺が、キミを……欲してるから」 *****