「――やっと見つけた」

 「……!?」

 「ずっとキミを探していたんだ」


 このときは知る術もなかった。

 彼が、あの『鳳間 瑛人』だということを。

 冷徹で、不愛想で、鉄壁のガードで心を許さないと有名な彼が、これほどまでに執着する人だということに。



 「逃がさないよ、加奈」

 「こ、ここまでなさる理由が分かりません!」

 「単純なことだ。俺が、キミを……欲してるから」


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