学年1モテるクール男子は地味子ちゃんを助けたい。

「見た? あいつの顔」

「見た見た。この世の終わりみたいな顔してたよね」

「もしかしたら今頃泣いてたりして」

「まあでも、別によくない? あいつが泣こうがわめこうが、こっちはお仕置きしてるだけだし」

「そーそー。あんな陰キャが紫苑を独り占めしてるのが悪いんだよ。図書室でこれ見よがしにイチャイチャして本当迷惑」

「だよねー。少しは自分の立場をわきまえろっての!」


キャハハハハ。


廊下に響く甲高い笑い声が鋭いナイフの雨になって、私の心にグサグサと深く突き刺さる。


見られてたんだ。


今日の昼休み、私が氷高くんと図書室で一緒にいるところを、莉奈ちゃんたちは知っているんだ。


きっと、私たちが交わした約束の内容も、こっそり聞いていたのかもしれない。


昼休みに背後から強烈な視線を送ってきた人物は、もしかしなくても莉奈ちゃんだ。


だから、このタイミングで私に嫌がらせめいた仕事を押しつけてきたんだ……。