「これから、よろしくお願い致します。」
「お願いする。」


 真面目な顔をして、丁寧に頭を下げて帰って行く二人。
 たまたま通りかかった裏の家の佐藤さんが、二人とすれ違い、二度見するように振り返って目を見開いているのが見える。佐藤さん、気持ちは分かる。


――奇抜だ。
 奇抜過ぎる格好であるが、彼が常人離れした外貌であるため、恐ろしいことにピエロ帽さえも様になっている。

 さながら、この田舎を収録にきた芸能人のようであった。


※※※※


――さて、どうしよう。

 私はコーヒーを少し口に含むと、息をついた。
 一連の出来事を、一体、どのように息子に伝えたら良いのだろうか。